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Bednar腫瘍

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

Bednar腫瘍 (Bednar tumor, pigmented variant of dermatofibrosarcoma protuberans)

本症は隆起性皮膚線維肉腫 (dermatofibrosarcoma protuberans; DFSP) の亜型である色素性隆起性皮膚線維肉腫 (pigmented DFSP) に分類される腫瘍で、その頻度はDFSPの5%以下とされています。病理組織学的にも、メラニン含有樹状細胞の存在があること以外にはDFSPとの所見に相違はないとされます。
本症はDFSPに比較して、小児にも多く発症し、上肢&躯幹部位に比較的生じやすく、局所再発率も高い傾向にあります。

原因

胎生期乳腺組織の遺残説、外傷(熱傷、予防接種の瘢痕、虫刺されなど)説などがありますが、詳細不明です。

臨床症状

青褐色~淡紅色の斑状の不規則な局面で、弾性硬で比較的境界不明瞭な皮膚腫瘍です。緩徐に増大し自覚症状に乏しいことが多いです。

診断

本症は稀な疾患であり臨床症状のみでは診断できないため、病理組織検査が必須です。

手術

皮膚から皮下までの病変であれば、Mohs顕微鏡下手術が勧められますが、日本で行なっている施設は非常に少ないです。腫瘍辺縁から約3cm程度離して広範全切除(筋膜まで含めて)することが多い。筋肉や骨まで浸潤あるいは進行して転移している場合は、整形外科や放射線科、腫瘍内科などと連携して集学的治療が必要になります。
全切除されたように思われても、局所再発や転移する可能性もあるので、長期経過観察が必要です。

DFSPも参照して下さい。

執筆:2015.11