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爪甲色素線条

本症は、爪甲内のメラニン色素による淡褐色から黒色までの縦の線条のことです。爪母に存在する異常なメラノサイトの増加あるいは機能亢進によって生じます。

原因には、
1)局所の機械的刺激
2)爪母部位に生じた色素細胞母斑
3)悪性黒色腫の早期病変
4)抗悪性腫瘍剤(フルオオウラシルなど)
5)Addison病やPeutz-Jeghers症候群の部分症状
が挙げられます。悪性黒色腫との鑑別が重要で、線条の幅が広い(6mm以上)、色調に濃淡差が目立つ、爪甲周囲にも色素斑が出現、爪変形や破壊を伴うなどの症状がある場合は要注意です。
良性の病変であれば経過観察し、腫瘍性のものであれば躊躇わず切除します。但し、幼少児の場合は母斑性のことが多いので慎重に観察して、取り扱いには十分注意を払うべきです。

執筆:2011.1