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項部線維腫

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

項部線維腫 (nuchal fibroma)

本症は真皮から皮下組織に膠原線維束が周密に認められる稀な良性腫瘍です。
本症の約70%が項部に発症しますが、他部位にも生じることもあります。また、糖尿病やGardner症候群を合併することも多いです。
原因不明です。どの年代でも発症しますが、特に30-50歳代に多いです。

症状

通常孤発性に生じ、自覚症状が無いことが多いために、長期間放置されて徐々に増大し、3-8cm大の大きさになって気づくことが多いです。項部に発症することが多いですが、四肢、腰背部、臀部、顔面などにも生じることがあります。

病理所見

本腫瘍に皮膜は無く境界は不明瞭で、弾性硬で外観は白色調です。不規則で厚い膠原線維束が周密に存在して腫瘍細胞が少なく、多形性を認めません。また、病変内に脂肪細胞、骨格筋細胞、末梢神経が封入されている像も認めます。
免疫染色では腫瘍細胞はvimentinとCD34に強陽性で、時にCD99やβ-cateninにも陽性になります。

鑑別疾患

弾性線維腫、線維脂肪腫、デスモイド型線維腫症、項部線維軟骨性偽腫瘍

治療

外科的完全切除が根治術です。病変が残存すると局所再発しますが、転移することはありません。
Gardner症候群の合併例では約45%が他部位にデスモイド型線維腫症を発症するため、経過観察が必要です。

執筆:2014.4