後天性反応性穿孔性膠原線維症
品川シーサイド皮膚・形成外科クリニック > 後天性反応性穿孔性膠原線維症
後天性反応性穿孔性膠原線維症 (acquired reactive perforating collagenosis)
本症は、成人の糖尿病や腎障害などを合併する患者に合併し、組織学的に膠原線維の経表皮的排出像を特徴とする穿孔性皮膚疾患です。
本症では糖尿病や腎障害を基礎疾患とする患者が多いですが、時に悪性腫瘍、全身性エリテマトーデス、後天性免疫不全症候群、甲状腺疾患の合併もあります。
症状
体幹と四肢に強い掻痒のある多発性角化性丘疹で、中央が陥凹し、固着性の角質または黒色痂皮を伴います。ケブネル現象を伴い、個疹が線状に配列して融合することがあります。 丘疹が痂皮を生じ、掻痒のために掻破して二次的に皮膚潰瘍や感染を生じることもあります。
病因
高血糖による酸化ストレスがフリーラジカルを遊離して膠原繊維が変性する説、微小血管障害により膠原線維が変性する説などがあるが、原因は定かではありません。
診断基準
1)組織学的に、表皮がカップ杯に欠損し、その底面に好塩基性に変性した膠原線維の経表皮排出像が認められる。
2)臨床的に、中心に角栓、臍窩を有する丘疹あるいは結節が認められる。
3)18歳以降に発症する。
治療
ステロイド外用と抗アレルギー薬内服を行います。治療に抵抗する場合は、テトラサイクリン、ジアフェニルスルホン、アロプリノールなどの内服や、光線療法も行われます。
執筆:2012.11