多発性脂腺嚢腫

多発性脂腺嚢腫 (steatocystoma multiplex)

本症は、全身(特に腋窩,前胸部,上肢などに好発)に正常皮膚色から淡黄色あるいは淡青色調の半球状に隆起した嚢腫を多発する、比較的稀な疾患です。毛嚢および毛嚢付属器へ分化する能力を持つ一種の奇形腫に近いものと考えられています。また、本症は思春期または若年成人期に発症することから、ホルモンが発症の引き金になっているのではないかとも考えられています。
一部には常染色体優性遺伝形式をとる例もみられ、ケラチン17 遺伝子の変異の関与が示唆されています。

病理所見

扁平になった皮脂腺が嚢腫壁に直接または近傍に存在し、また、数層の上皮成分から構成される嚢腫壁を認め、内腔側では好酸性角質が鋸歯状にまたは波状に突出しています。

鑑別疾患

表皮嚢腫、発疹性毳毛嚢腫、脂腺腺腫、汗管腫、稗粒腫、尋常性ざ瘡などが挙げられます。

治療

外科的摘出術、穿刺による内容物除去が行われるのが一般的です。この他に、冷凍凝固、CO2 レーザーなどを行うこともあります。

執筆:2012.6

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