単純性血管腫

単純性血管腫 (hemangioma simplex; portwine stain)

本症は、出生時から存在する境界鮮明で隆起姓の無い紅色から暗赤色斑(いわゆる平坦な赤あざ)で、体表皮膚のいずれの部位にも生じます。胎児期における血管の形成異常により、真皮浅層で毛細血管が拡張・充血して生じます。
基本的には病変の拡大はありませんが、終生持続して自然消退せず、加齢に伴って色調がやや濃くなり、やや隆起する傾向があります。
特殊な病型として、新生児期から乳児初期にかけて正中部(額、眼瞼、眉間、人中、項部など)に境界が不鮮明で色調にむらのある隆起しない紅斑を正中部母斑と呼びます。額、眼瞼、眉間、人中に生じた正中部母斑はサモンパッチ(salmon patch)とも呼ばれ、これは2 歳頃までに自然消退します。しかし、項部に生じたもの〔別名;ウンナ母斑(nevus Unna)〕は自然消退しないこともあります。また、幼少時期に消褪しても、中高年で再出現することが稀ならずあります。
また、Sturge-Weber 症候群やKlippel-Trenaunary-Weber 症候群などの部分症状となることがあるので、注意が必要です。

治療

パルス色素レーザー(Vビームなど)治療が第一選択です。従来のレーザー治療に比べて傷跡が残ることが少なく効果も優れていますが、真皮のやや深層に病変がある場合や、成人で病変が隆起している場合などは完全に赤みを消せない事もあります。また、部位によっても治療効果に差がある(顔面、頚部にあるものは70~80%の有効率ですが、四肢、特に下肢に生じたものは治療効果が悪い)との報告もあります。更に、乳幼児期から開始する早期治療が、より効果が高いとの報告もあります。
一般に複数回の照射が必要になることが多く、それでも色調の改善がみられない場合は、レーザー治療の限界と考え、それ以上のレーザー治療は中止すべきです。
症状が残る場合は、カバーマークによる化粧で色を隠すのも選択肢の一つです。
尚、正中部母斑は新生児の20~30%に認められますが、大多数が自然消退するため、生後1.5年程度経過観察して消退しないものに対して、レーザー治療を行うのがよいと思います。

執筆:2012.5

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