デング熱・デング出血熱

本症はネッタイシマカやヒトスジシマカで媒介される、フラビウィルス科フラビウィルス属のデングウィルスによる感染症で、4種類の血清型がありますが臨床症状の差は無く、同じ型のデングウィルスには終生免疫が成立します。熱帯・亜熱帯地域のほぼ全域に認められ、特に東南アジア・南アジア・中南米などに多いです。日本国内での感染は無いですが、海外で感染して帰国後発症する輸入感染症として問題になり、毎年30-80例の報告があります。
潜伏期間は4-14日で、突然の発熱で発症し、疼痛(頭痛、眼窩痛、筋肉痛、関節痛)、腹痛・下痢などの症状を伴います。発症後3-4日後より解熱傾向と共に胸部・体幹に発疹が出現して、四肢・顔面へ拡大します。通常症状は3-7日で消失して回復し、予後良好なので、必要があれば対症的治療を行います。但し、疼痛と発熱に対してアスピリンの投与は出血傾向の増悪やReye症候群を誘発の可能性があるので禁忌です。
デング出血熱は一般にデング熱の再感染時に発症することが多く、血清型2型の感染により生じやすいとされます。発熱2-7日後に発症し、血小板の著明な減少、血漿漏出と出血傾向を示す重篤な致死性症状(点状~斑状出血、粘膜や消化管からの出血など)を呈します。血漿漏出が進行するとショックに陥り、平熱に戻りかけたときに起きるのが特徴です。デング出血熱でショックを伴うときは、適切な治療をしないと致死率は高いです。

執筆:2010.9

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