スナノミ症

スナノミ症 (Tungiasis)

本症は、皮内寄生のTunga penetrans (スナノミ)の雌ノミが真皮に穿入して症状を呈する疾患です。

原因

成虫は1mmと小さく、乾いた砂地に生息し、雌雄ともに家畜やイヌ、ネコ、ネズミやヒトなどの皮膚に寄生し、吸血します。交尾後の雌は宿主の皮膚内に潜入し、吸血により栄養をとり腹部が膨大して5-10mmにもなり、約2週間以内で卵が成熟して、100-200個産卵して成虫は死亡します。虫卵はやがて土に落ちて3~4日で孵化し幼虫になります。幼虫から蛹、そして成虫になるまでは約2-3週間を要します。従って本虫のライフサイクルは約1か月程度と考えられますが、気候条件によってそのサイクルが変わることもあります。

疫学

スナノミ(Tunga penetrans)の原産地はアメリカ大陸と西インド諸島でしたが、1492年コロンブスのアメリカ大陸発見時、サンタマリア号の船員がハイチで本症を発症し、それ以後、中南米、アフリカ、インド、パキスタン、マダガスカルなどの世界各地へ蔓延していきました。日本でもアフリカや南米地域への旅行者の発病報告があります。

症状

スナノミがヒトに穿入する際は無痛ですが、その1-3日後には皮膚の掻痒・発赤あるいは疼痛を起こします。本虫にはノミの名前がありますが虫体は跳躍力が弱い(約20cm程度)ため、主に足(趾間、爪下部)に吸着し、稀に手、臀部、会陰部に侵入します。4-5日して侵入部位で虫体を膨大させてエンドウ豆大の結節性病変が出現し、産卵部位に一致して皮膚が黒変します。患部の疼痛は増悪し、侵入後2週間程度で体外へ産卵をし始めます。侵入後3週間経過すると、虫体は産卵を停止してやがて死亡し、病変は縮小して最終的には死骸は排除されます。 熱帯地方では同部がしばしば細菌感染の侵入部位となって、時に広範となる蜂巣炎、ガス壊疽、破傷風などの二次感染を生じます。

治療

外科的に虫体の完全摘出を行い、二次感染を予防することが肝要です。虫体の一部が残ると炎症が強く出現するため、確実を期すために結節ごと切除することもあります。 虫体に効果のある薬剤は現在のところありません。 忌避剤として、ザンザリン(Zanzarin)、ホホバオイル(jojoba oil)、アロエヴェラ(aloe vera)を外用して、90%程度侵入を阻止できるとされます。

予防

本症は流行地域の乾いた砂を裸足で歩くと罹患しやすいので、靴を履くことが最善の予防策です。また、座ったり横になることでも発症するので、控えるべきです。

執筆:2013.12

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