爪甲剥離症

爪甲剥離症(onycholysis)


正常の爪甲(いわゆる爪)は、通常先端部以外は爪甲下の皮膚(爪床)と強く付着しています。ところが、爪甲剥離症では、爪甲の先端部が爪床から剥がれ徐々に近位部に向かって症状が進行して、遊離した爪甲病変が白色ないし黄白色に変化し、遊離した爪甲下の隙間にゴミが入って、部分的に汚い褐色調を呈することもあります。
 
爪甲剥離症の原因は多彩ですが、原因不明のものが最も多いです。
1)全身性疾患に伴うもの(甲状腺機能異常や貧血など)
甲状腺機能亢進症に伴う爪甲剥離症(プランマーズ・ネイル)が最も有名ですが、それ以外にも甲状腺機能低下症、ペラグラ、糖尿病、鉄欠乏性貧血、さらには、肺疾患(黄色爪症候群、肺癌など)などでみられます。
2)皮膚疾患の部分症状に伴うもの(乾癬、掌蹠膿胞症、多汗症、扁平苔癬、膠原病など)
3)外因性によるもの(機械的刺激などの局所的因子によるもの、マニキュアや洗剤など) 
棘や鉛筆の芯などの異物が爪と爪床の間に食い込む小外傷、あるいは、指先の細かい操作を必要とする職業性(料理人、理髪・美容師、庭師、タイピストなど)によるものがあります。また、マニキュア・除光液や洗剤、さらには、有機溶剤やガソリンなども原因になります。
4)感染症によるもの(カンジダや爪白癬など) 
5)光線過敏症に伴うもの(テトラサイクリンによる薬剤性光線過敏症、ポルフィリン症など)
光線による爪甲剥離症は多くは日光によるものですから、夏悪化して冬軽快するのが特徴です。爪以外にも光線過敏性皮膚炎を伴うことが多いです。
6)特発性(原因不明)のもの 
これが部分爪甲剥離症の大半を占めますが、あまり進行することなく、自然軽快することも多いです。
などが挙げられます。
 
※通常は1ヵ所または数ヵ所の爪だけが剥離を起こすのですが、手足全ての爪に変化がある場合は、甲状腺機能亢進症をはじめとする全身性疾患が原因かもしれないので、早めに受診するようにしましょう。
 

治療

原因が確定できれば、その疾患の治療を行うことにより、爪症状は軽快します。原因不明の場合、治療は一般に難治ですが、角質に浸透しやすい保湿剤やステロイド剤を外用したり、ビタミンE内服をする場合もあります。

 

執筆:2011.1

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