湿疹(皮膚炎)

湿疹は、皮膚科の日常診療の約1/3 を占め,最も頻繁に遭遇する疾患です。臨床的には掻痒を伴う発赤・膿疱・落屑・漿液性丘疹などを呈する多様な炎症性皮膚反応です。

一般的な湿疹反応の推移は、掻痒を伴う浮腫性の紅斑が最初に形成され、引き続き紅斑上に丘疹ないしは漿液性丘疹を生じます。次に、小水疱・膿疱・糜爛・痂皮・鱗屑を形成しながら治癒に向かいます。急性期にはこれらの症状が単一あるいは混在してみられますが、慢性期では急性期症状を一部に残しながら、皮膚肥厚・苔癬化傾向・色素沈着・色素脱失を伴う状態へと推移します。
原因には、外的因子(薬剤、化学物質、花粉、ハウスダスト、細菌、真菌、その他のアレルゲンなど)が皮膚に侵入した際に、異物を排除するための炎症反応が誘起されるものと、内的因子(全身の機能異常・皮脂腺・汗腺などの皮膚の生理機能異常、アレルギーやアトピー素因など)に分けられますが、両者が複雑に絡み合い、Ⅳ型アレルギーなどの免疫反応が加わって特徴的な多様な病変を形成します。
湿疹の多くは外的刺激によるいわゆる接触性皮膚炎と考えられていますが、原因が明らかでない場合でも、便宜上、皮疹の状態から急性湿疹、亜急性湿疹、慢性湿疹と呼ばれます。
急性湿疹:湿疹のうち、臨床的に滲出性紅斑・浮腫・ときに小水疱を伴い、発症後数日しか経過していないものです。
亜急性湿疹:急性湿疹と慢性湿疹の中間型に位置します。臨床的に紅斑・浮腫と多少の苔癬化を伴います。
慢性湿疹:臨床的に苔癬化を伴い、発症してから少なくとも1週間以上経過している場合が多いです。角層が著明に肥厚し、胼胝状湿疹のようになります。紅斑ならびに亀裂を伴うこともあります。
治療はステロイド外用が原則です。掻痒が強い場合は、抗アレルギー剤内服も考慮します。

 

執筆:2011.1

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