再発性多発軟骨炎

再発性多発軟骨炎 (Relapsing polychondritis)

本症は軟骨組織(鼻、耳介、気管など)および軟骨と類似する成分を含む組織(眼球、硝子体、角膜・強膜、ブドウ膜、視神経、内耳前庭器官、心弁膜、大動脈中膜、心筋細胞膜、関節滑液細胞、腎糸球体など)が系統的に傷害される炎症性疾患です。
特に、耳介軟骨炎(軟骨のない耳垂部を除く)は85-95%と高率に認められます。この他にも、非糜爛性の多発性関節炎(リウマトイド因子陰性)、鼻軟骨炎、結膜炎・角膜炎・虹彩炎などの眼症状、喉頭・気道軟骨炎、聴力低下・眩暈・耳鳴りなどの内耳障害を認めることも多いです。
寛解と再燃を繰り返し、その過程で組織の変性や破壊などの不可逆的な障害を起こします。
また、本症は様々な自己免疫疾患、骨髄異形成症候群や悪性リンパ腫などの血液悪性腫瘍を合併することが多く、これらによる免疫系の変化が関与しているのではないかと考えられています。

原因

病因は未だ不明ですが、軟骨成分のII型コラーゲンに対する抗体が本症の約30%に認められることから、II型コラーゲンに対する自己免疫説が有力視されていますが、その他の疾患でも同抗体が認められることがあるので、異論もあります。最近では軟骨に特有な蛋白であるmatrilin-1に対する体液性および細胞性免疫の関与が報告されています。

臨床症状には下記のものがありますが、初発症状でもっとも頻度が高いのは耳介軟骨炎です。

  1. 両側反復性耳介軟骨炎
  2. 多発性関節炎
  3. 鼻中隔軟骨炎(鞍鼻)
  4. 眼症状(結膜炎、角膜炎、虹彩炎など)
  5. 喉頭、気管軟骨炎
  6. 内耳障害(聴力低下、眩暈、耳鳴りなど)

※診断基準:上記の3項目以上の臨床症状と組織所見を満たす、1項目以上の臨床症状と組織所見を満たす、あるいは解剖学的に異なる2つ以上の部位の症状がステロイドまたはDDSに反応する。

治療

本症は炎症の持続により線維化をきたし、組織に不可逆的変化を残すことから、早期に治療を行い器質的変化や機能障害を回避する必要があります。
ステロイド内服は本症に有効なことが多いですが、内耳障害に関しては回復できないことが多いです。この他にも、ジアフェニルスルフォン、コルヒチン、ミノサイクリン、サラゾスルファピリジン、ミゾリビン、シクロスポリン、NSAIDsも併用されることがあります。

予後

5年生存率は74%、10年生存率が55%で、直接死因と関係する症状は、気道軟骨炎が最も重要で、気道狭窄による呼吸困難や肺炎の合併が死亡原因です。

執筆:2012.3

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