石灰化上皮腫

石灰化上皮腫 (calcifying epithelioma;別名 毛母腫(pilomatorixoma))

本症は、日常診療でもしばしば遭遇する、毛母細胞から発生する良性腫瘍です。
幼小児から大人に至るまで、顔面、頸部、上肢に好発し、通常単発性の1~4 cm程度までの硬い皮内あるいは皮下腫瘍を形成します。表面は常色ないし青白く透見され、凹凸に富み骨様硬に触知でき、境界は明瞭で可動性は良好です。殆ど自覚症状はありませんが、時に軽度の掻痒や圧痛を伴うことがあります。男女差は少なく、1:1.5程度とされます。また、筋緊張性ジストロフィー症に合併して多発することがあります。

原因

原因は未だ不明ですが、BCL-2の強発現によるアポトーシス抑制、CTNNB1 (catenin (cadherin-associated protein), beta1)変異によるbeta-catenin/LEF(Lymphoid enhancer-binding factor1)蛋白複合体の制御不全が関与しているのではないかと推察されています。

診断

視診と触診でほぼ確定できることが多いですが、必要に応じて、超音波エコーやX-P、部位によってはCTやMRIなどを行うこともあります。

病理所見

真皮下層~皮下組織に境界鮮明な不規則な形状の腫瘍を認めます。線維性結合組織による被膜で包囲されている場合と、明らかな被膜を持たないこともあります。腫瘍は基底細胞類似細胞(毛母細胞由来、好塩基性に染色)および陰影細胞(shadow cell;毛皮質に相当する細胞の核が消失して好酸性に染色)から構成されます。また、異物反応や石灰化を伴います。

治療

外科的摘出を行います。
尚、ごく稀に癌化することがあり、毛母癌(pilomatrix carcinoma)と呼ばれます。

執筆:2012.6

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