自家感作性皮膚炎

本症は、原発巣である湿疹性の病変の増悪に伴い、体幹・四肢にほぼ左右対称性の紅斑あるいは丘疹が散布される病態です。

一種の内在性アレルギー性反応〔イド反応(id reaction)〕と考えられ、原発巣における組織崩壊によって生成された変性蛋白、細菌および真菌成分、毒素などが抗原になると想定されています。これらの抗原が、原発巣から血流を介して全身へ散布、原発巣の掻破により播種、原因物質が誤って全身投与(経口ないし静脈内)される、などによって全身に散布され、感作が成立して生じると考えられますが、その詳細な機序は不明です。
原発巣は下腿が圧倒的に多く(50~60%)、発赤や腫脹,滲出などの急性増悪が起こり、引き続いて2週間ないし数週間で散布疹を生じます。散布疹(id疹)は 2~ 5 mm程度の紅斑や丘疹、漿液性丘疹、膿疱で、四肢・体幹・顔面に対称性かつ播種性に分布し、激しい掻痒を伴うことが多いです。発熱,倦怠感などの全身症状が出現することもあります。
原発巣となる疾患は、貨幣状湿疹、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、慢性湿疹、熱傷後の湿疹化、真菌性糜爛などが知られています。
原発巣および散布疹の治療は、ステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬の内服が第一選択です。難治の場合はステロイド内服を行い、徐々に漸減します。
 

執筆:2011.1

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