色汗症

色汗症 (Chromhidrosis)

本症は着色された汗が皮膚に認められる稀な疾患です。
汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺がありますが、通常本症が生じるのはアポクリン腺にリポフスチン色素が過剰に蓄積して、汗が着色するとされています (intrinsic apocrine chromhidrosis)。尚、汗の色調は、リポフスチンの酸化の程度が強くなると、黄緑から青、紫、黒色へと変化します。発生部位は腋窩、頬、乳輪に多く、思春期頃からアポクリン腺の分泌機能が亢進している若年者に多いです。特に女性は整容的に気にかけることが多いので、受診率が高いようです。
一方、エクリン腺による色汗は、体内に摂取された薬剤や色素がエクリン腺に沈着することにより発症するとされますが、稀です (intrinsic eccrine chromhidrosis)。
また、エクリン腺から無色で分泌された汗が、皮膚表面にある衣類含有色素、塗料、色素産生細菌(corynebacteriumなど)や真菌によって化学反応を生じて、着色する場合もあります (pseudochromhidrosis)。

症状

アポクリン腺の分布する腋窩部位の下着や乳輪部位のブラに色が染まって気付かれることが多く、両頬も稀に気付かれますが、機械的刺激で分泌が促進されることもあります。黄色であれば正常範囲で許容されますが、色調が濃くなると目立つため受診することが多くなります。
注意深く観察すると、汗開口部に染色された汗を認め、汗を拭きとると皮膚は正常色に戻ります。また、染色された汗が乾くと、斑点状に認められることもあります。
また、加齢によりアポクリン腺の分泌能が減少するにつれて、症状も改善することがあると考えられています。

治療

アポクリン腺由来の色汗症は完治させる治療法がありません。
A型ボツリヌス毒素の皮内注射はエクリン汗腺に分泌抑制に特に有効ですが、最近アポクリン汗腺であっても分泌抑制することが示唆されており、実際、本症に有効であるとの報告があります(コリン作動性刺激を阻害してサブスタンスPの放出を抑えることで症状が軽快すると考えられています)。
0.025%カプサイシンクリームは、外用期間中は効果ありますが、中止すると再燃します。(知覚神経にあるサブスタンスPを枯渇させることにより効果を発揮すると考えられています)。
尚、制汗剤に使用される20%塩化アルミニウム液の外用では効果を認めません。また、汗腺焼灼術も試用されることがあります。

執筆:2015.2

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