セメント皮膚炎

セメント皮膚炎 (Cement contact dermatitis)

セメントは土木・建設現場で多用される材料であり、擦過作用、吸湿性、強いアルカリ性を有します。そのため、セメントによる皮膚傷害には

  1. 乾燥したセメントの粒子により皮膚の表層が削り取られたり、皮膚の水分が吸い取られる為に生じる機械的・乾燥性皮膚傷害
  2. セメントが吸湿した後に水酸化カルシウムを放出して強アルカリ性になり、そのために生じる化学熱傷
  3. セメント中に微量に含まれるクロムなどによるアレルギー性接触皮膚炎
があります。

従って、水と混和する前のセメントが付着した状況が続くと上記の可能性がある為、セメントを取扱うときには、目・鼻や皮膚へのセメントの接触を避けるための適切な保護具(手袋、長靴、保護メガネ、防護マスクなど)を着用して、換気する必要があります。また、取扱い後には顔、手、口などを水洗して残留物を残さないようにすることが肝要です。 また、セメント取り扱い作業者は、セメントが長靴や靴下に付着しても履き替えないまま作業を続行し、長時間経過して症状が発症して気付いたり、膝着き姿勢で接触部位に症状が出現することもあるので、注意が必要です。 一方、混和して完全に硬化した後のセメント(モルタル・コンクリート)は、水酸化カルシウムは二酸化炭素と反応し中性の炭酸カルシウムとなっているので、炎症を引き起こす可能性はごく稀です。

治療

セメントによる機械的・乾燥性皮膚障害が生じた場合は、皮膚外用剤で対処します。また、化学熱傷が出現した場合は、熱傷に準じて治療を行います。アレルギー性接触皮膚炎が出現した場合は、皮膚外用剤の塗布、パッチテストで重クロム酸カリウム陽性かどうかを検査し、セメントに直接触れないようにゴム手袋着用を励行します。

予防対策

特に、職業的にセメント取扱いに従事する者は、直接付着しないように、易作業性と防護性を兼ね備えた作業着・手袋使用が勧められます。

執筆:2013.5

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