耳介偽嚢腫

耳介偽嚢腫 (pseudocyst of the auricle)

本症は、耳介軟骨と皮膚の間に波動を触れる緊満性の嚢腫様の病変です。耳介上半部に生じやすく、片側性に生じますが、時に両側に出現することもあります。嚢腫内容は血腫あるいは血清状液体が貯留しています。柔道選手や格闘技選手で、耳介が擦れたり引っ張られる刺激や小外傷があると生じることが多いです。本症を繰り返していると、嚢腫が線維化して耳介が厚くなり耳介変形を生じます。
女性より男性に生じやすく、30-40歳代に多いです。

原因

詳細な機序は不明ですが、内容液内にある多量のinterleukin (IL)-6により軟骨細胞増殖を刺激し、一方ではIL-1は炎症や軟骨破壊を引き起こし、また細胞外器質形成を阻害し、更にはIL-6産生を誘導して悪循環が生じているとの説もあります。
機械的なストレス刺激や小外傷により、耳介軟骨からLDH-4 &5が放出されて本症が生じるとの説もあります。

鑑別診断

再発性多発性軟骨炎、外傷性軟骨膜炎、軟骨皮膚炎、軟骨膜下血腫などが挙げられます。

治療

本症病変を穿刺吸引すると内容液が排出されて一時正常に戻りますが、非常に再発しやすいため十分な圧迫固定(クリップ固定、矯正圧迫装具など)が必要になりますが、過度の圧迫は皮膚壊死を生じることがあるので注意が必要です。時に局所処置(ステロイド注入、ミノサイクリン注入など)も行われることがあります。難治の場合は耳介変形を生じるため、形成外科的手術(パンチアウトなどのドレナージ+ボルスター固定、フィブリン注入固定など)を行うこともあります。

執筆:2012.7

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