成人スティル病

成人スティル病(adult-onset Still's disease)

本症は発熱、関節症状、皮疹を主要症状とする全身性炎症性疾患である。不明熱の原因としても頻度が高く重要です。疾患特異的な症状がないので、他疾患(悪性血液疾患、自己免疫疾患、感染症など)を除外して診断しますが、鑑別に苦慮することもあります。
若年者(10歳代後半~30歳代)に多く、男性よりやや女性に多い(1:2)。罹患率は0.2-0.3人/10万人と報告されています。
原因不明ですが、炎症を引き起こしやすい遺伝子素因を持つヒトに、ウィルスや細菌などの病原体の感染が引き金になって、免疫が過剰に活性化されて、高サイトカイン血症を生じているのではないかと考えられています。

診断

診断するにあたり、下記に示す山口らの基準が最も感度がよいとされています。
〔大項目〕
  1. 発熱(39℃以上、1週間以上持続)
  2. 関節痛(2週間以上持続)
  3. 定型的皮疹(体幹四肢に、数mm~2cm程度の淡紅斑が散在あるいは一部癒合して地図状になり、大きな紅斑になることもある。また、発熱に伴って出現し、解熱時には消腿することが多い。温熱や機械的刺激で皮疹が誘発されることもある。掻痒は少ない。)※これ以外の種々の非定形皮疹も意外と多い。
  4. 白血球増加(10000/μl以上、好中球80%以上)。

〔小項目〕
  1. 咽頭痛
  2. リンパ節腫脹または脾腫
  3. 肝機能異常
  4. リウマトイド因子および抗核抗体陰性

大項目2項目以上を含み、合計5項目以上で成人still病と診断する。血清フェリテチンの異常高値は診断の参考にします。
除外項目:1.感染症(特に敗血症、伝染性単核症など)2.悪性腫瘍(特に悪性リンパ腫)3.膠原病(特に結節性多発性動脈炎、悪性関節リウマチ)
※最近、糖鎖フェリチン低下(20%以下)の診断的価値が高いと考えられてはじめているが、その測定はまだ一般的ではありません。

本症の経過は、単周期型は1回のエピソードのみで再発せず、予後良好です。多周期全身型では、全身症状の再発と寛解を繰り返してステロイドをなかなか中止できないが、その必要量は徐々に減少して予後は悪くありません。慢性関節炎型では、全身症状の有無に関わらず、関節炎が持続して関節の破壊性変化をきたしやすいです。

治療

NSAIDは使用されるが、それのみで完治可能な症例は少なく、ステロイド(プレドニン20-60mgで開始して徐々に減量)や免疫抑制剤(メソトレキセート、シクロスポリン、γグロブリン大量投与)が併用されることが多いです。最近では、生物学的製剤(infliximab, etanercept, anakinra, tocilizumab)の有効性が注目されています。

執筆:2010.6

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