ライム病

スピロヘータの一種であるボレリア(Borrelia burgdorferi)を保有するノネズミ・シカ・野鳥などにマダニが吸血して、病原性を有したマダニにより媒介して引き起こされる人獣共通感染症の一つで、ヒト、犬、馬、牛などでは臨床症状を呈します。
本邦のライム病は、北海道の平地と中部地方以北の標高1000m以上の山岳地帯に住むシュルツェマダニがヒトに吸着して吸血する際に経皮感染します。季節は6-7月に特に多いです。欧米では都市部に生息するマダニがボレリアを媒介することから社会問題になっています。
臨床症状は、数日から数週間にかけて、刺咬部位に一致して遊走性紅斑がほぼ必発して、急速に拡大して環状になります。刺咬部は硬結することが多いですが、時に壊死や痂皮を伴うこともあります。軽度の発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛や所属リンパ節腫脹を認めることもありますが、発現頻度は低いです。放置しておくと病原体が全身に拡散することにより、多発性の二次性遊走性紅斑が生じたり、顔面神経麻痺、髄膜炎、不整脈、リンパ球腫などに至ることもあります。

治療

マダニの咬着があれば、虫体を外科的に全摘出します。また、予防的にテトラサイクリン、ペニシリンなどの抗菌剤で1週間程度内服させます。

予防

流行地で野外活動をする場合は、足首からふくらはぎにかけて露出しないようにズボンの裾をとめる、もしくは靴下の中に入れ込むようにしましょう。
布目が細かく、表面が滑らかでダニの付着が判別しやすい明るい色の衣服を着用し、休憩時などに同行者同士でダニの付着の有無を確認しましょう。
ダニを除去する時には、ピンセットや先のとがった毛抜きなどで、皮膚にできるだけ近いところでダニの頭か口を挟んで真っすぐ上に引き抜く。体の部分を挟んだりつぶしたりすると、機械的に病原体の注入が起こり感染の確率が高まるため、絶対にしないこと。
除去したダニは保管し、後日、症状が出た場合には病院へ持参する。咬着後24時間以内に除去すると感染率が低いと言われています。
スプレー式の防虫剤は有効なので、必要に応じて利用しましょう。

執筆:2010.10

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