慢性膿皮症

本症は毛包閉塞により、毛包・脂腺の分泌・代謝物が貯留し、これに細菌感染や毛包破壊産物による異物反応が加わって生じます。最近では、患部に定着した細菌に対する宿主側の過剰な炎症反応が関与しているのではないかと考えられています。頭部と臀部に慢性膿皮症が生じやすいが、いずれも難治です。

臀部慢性膿皮症
臀部のみの限局型と、臀部以外に集簇性ざ瘡や化膿性汗腺炎など関連疾患を合併した汎発型があります。主に成人男性に発症し、臀部~会陰~大腿基部後面にかけて有痛性皮下結節や膿瘍が多発し、皮下では複雑に交通して瘻孔を形成し、自壊して悪臭のある膿汁を排泄します。年余にわたり再燃を繰り返し、色素沈着や瘢痕を伴う新旧病変が混在した局面となります。
軽症例では抗生剤投与と切開排膿や瘻孔切除で対処できますが、重症例になると難治となり瘻孔からの発癌も稀ではないため、瘻孔を含めて病変部を一塊に切除して植皮術を行います。
頭部慢性膿皮症
頭部に発症する膿皮症は3型あり、いずれも青壮年以後の男性に多いです。臀部と異なり、露出部で被髪部位であるため、外科的完全切除は困難なことも多いため、重症例以外は保存的治療(抗生剤投与)で対処し、頭部の清潔を保つことも重要です。
禿髪性毛包炎
膿瘍や瘻孔は形成せず、毛包一致性の紅色丘疹や膿疱が周囲の毛包に浸潤して、遠心性に瘢痕性脱毛斑が緩徐に拡大していきます。ケロイド様隆起はなく、光沢のある脱毛斑になります。自覚症状は軽度で、慢性に経過します。
頭部乳頭状皮膚炎
後頭~項部に毛包炎が、集簇性に反復して出没を繰り返し、長期経過で大小のケロイド状結節が形成され、脱毛斑となります。
頭部毛包周囲炎
毛包周囲組織の炎症性破壊が強く、皮下膿瘍が多発して皮下で交通して瘻孔を形成します。
慢性経過を辿り、線維化して頭皮は凸凹になり、脳回転状の肥厚性瘢痕を生じて脱毛斑を生じます。皮下瘻孔が広範囲に多発する重症例では外科的根治術を考慮します。

執筆:2011.1

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