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結節性裂毛症

当院で掲載している希少難治性疾患に関する説明は、患者さん並びにご家族の皆様に参考となる情報提供であり、その検査や治療は当院では行っておりません
また、紹介すべき病院に関しても適切な情報を持ち合わせておりません。
尚、当院では希少難治性疾患に対する医療相談は行っておりませんので、ご理解のほど宜しくお願いします。

結節性裂毛症(Trichorrhexis nodosa)

本症は、毛皮質線維が露出・断裂して、絵筆の先を向かい合わせたような像を呈する毛幹形態異常です。正常な毛髪でも、物理化学的障害が加わると出現しますが、毛幹が脆弱となる先天性あるいは後天性疾患が背景にあれば、軽微な外力でも発症します。

症状

肉眼的には、毛髪に白色結節状の病変を認め、その部位は走査電顕でpaint blush fractureあるいはgreen stick fractureと呼ばれる特徴的な所見を呈します。

原因

1)先天性

a) 先天性結節性裂毛症 (congenital trichorrhexis nodosa)
極めて稀な疾患で、先天性の毛幹脆弱性があり、軽微な外胚葉異常を伴うこともあります。

b) 代謝異常症(アルギニノコハク酸尿症、シトルリン尿症、Menkes病など)
i) アルギニノコハク酸尿症:アルギニノコハク酸リアーゼ欠損により、アルギニノコハク酸が蓄積する代謝疾患です。アルギニンの不足により、ケラチン形成が阻害され、毛幹の脆弱性をきたし、多くの症例では生後1年以内に軽微な外的刺激で本症を生じます。
ii) シトルリン尿症:アルギニノコハク酸シンターゼ欠損により、シトルリンが蓄積して精神身体発達遅延を生じます。毛幹は色が薄く、毛小皮の形成不全があります。

2)後天性

後天性結節性裂毛症は毛幹の形態異常の中では、比較的多いです。
結節の発生部位によって3つに分類されており、

1)毛が数cm以上に伸びずに折れてしまう 
2)毛先から5cm前後に結節ができて折れてしまう 
3)頭部、眉毛、口髭等の限局した3-4cmの斑内にみられ、掻痒性疾患の病巣部やトリコチロマニアでみられることが多い。

内因性:消耗性疾患、鉄欠乏性貧血、甲状腺機能異常などが原因になります。
外因性:物理的な外的刺激(過度のヘアケア、頭皮マッサージ、ブラッシング、ドライヤー、アイロン、ヘルメットやかつらの装用、カラーリング、パーマ、縮毛矯正、長時間の紫外線暴露、プールの塩素、レスリングなどのスポーツによる摩擦、リコチロマニアなど)によるものが主であり、素因の果たす役割は少ないと考えられています。

執筆:2012.3