黒癬

黒癬 (tinea nigra)

本症は黒色真菌類の一種であるHortaea werneckiiによる表在皮膚感染症です。手掌、時に足蹠に境界明瞭な褐色斑が生じて、慢性に経過することが多いです。掌蹠に多汗症がある若年女性に生じやすいとされます。
本症は、本来熱帯や亜熱帯地域(中南米、東南アジア、アフリカなど)に多く認められます。本邦では比較的稀で、主に沖縄や九州から報告されていましたが、最近では石川県でも発症しています。この原因は気温の上昇が想定されていますが、ほかにも旅行、観葉植物や熱帯産果実を介しての感染、あるいは海水やハウスダストからも菌自体が分離されるため、本邦でも広く自然界に分布している可能性もあります。

診断

黒色斑の色調の濃い部位で鱗屑ないし角層をメスで擦過して採取し、採取した鱗屑ないし角層片をKOH法で検鏡します。黒癬の菌要素(淡黄褐色、多隔壁性、分岐性の特有な菌糸)が多数認められます。真菌培養でHortaea werneckiiが分離されると診断が確定します。

治療

抗真菌薬の塗布を1か月程度続け、再発予防にもう少し長く塗布することが勧められています。

執筆:2012.3

▲PageTop

ページトップに戻る