口腔白板症

口腔白板症 (oral leukoplakia)

本症は臨床的に口腔粘膜の白斑・白色病変を呈し、他に白色を呈する疾患(例えば扁平苔癬、円板状エリテマトーデスなど)と明確に診断できないものとされています。即ち、白板症は一つの症状を表す言葉であり、そのなかには良性と悪性があります。
尚、外陰部の粘膜や皮膚粘膜移行部に発生した白色病変は多岐にわたるため、外陰部白板症はあまり用いられない傾向にあります。

疫学

50-70歳代の男性に多く、喫煙者に好発します。

病因

義歯や歯並びの悪い歯の刺激、頬粘膜の噛み癖、パイプ、紙巻煙草、飲酒などが挙げられます。これらの慢性刺激により、前癌病変が生じます。

臨床症状

口腔白板症の好発部位は、一般に頬粘膜と口唇ですが、時に舌や口腔底などに生じます。症状は均一あるいは斑状の白色局面で、疣状、乳頭状に肥厚・隆起する事もあります。大きさや形は様々で、通常単発性ですが、時に多発する事もあります。病変内に紅色肥厚性病変や浸潤を触れる場合は悪性化している可能性があります。

診断

義歯の刺激や喫煙の可能性について検索し、その病因を除去して3ヶ月程度経過観察を行います。併せてカンジダ症の確認も行います。自然消退傾向が無い場合は生検して病理検索を行います。

病理組織所見

本症の約80%は粘膜上皮細胞の異型や悪性化は無く、慢性炎症細胞の浸潤を伴う角質層の過角化及び不全角化と表皮肥厚が目立つものの、表皮細胞に異型はありません。約17%が様々な程度の異型ないしin situ病変を呈し、約3%が浸潤性の扁平上皮癌とされています。

治療

生検して前癌状態あるいは癌を認める場合は、外科的切除、凍結療法、レーザー焼灼などを行います。

予後

本症のうち、10年以内に全体の5-20%が粘膜上皮の異型が目立つようになり、2-5%が悪性化します。一方、外的刺激などの原因除去で15-30%は自然消退します。悪性化は50歳以上の女性に最も多く、興味深いことに非喫煙者に生じた白板症が悪性化のリスクが高いとされています。

執筆:2012.2

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