結節性筋膜炎

結節性筋膜炎 (nodular fasciitis)

本症は、皮下深部の脂肪織あるいは筋膜付近に存在する筋線維芽細胞が急速に増殖し、直径2~3 cm の皮下結節をつくる良性の腫瘍様病変です。亜型病変として、血管内筋膜炎(Intravascular fasciitis)、頭蓋骨筋膜炎(Cranial fasciitis)が知られています。
患者の年齢は20-50歳代がほとんどを占め、男女差や人種差は明らかではありません。

症状

皮下腫瘤として触れ、数ヶ月で急激に増大し、軽度の圧痛や自発痛を訴えることもあります。本症は時に自然治癒傾向を示すことがあります。
病変部位は上肢(46%)、頭頸部(20%)、体幹(18%)、下肢(16%)の順に多いです。特に前腕皮下が好発部位です。
腫瘤は白色結節を形成して、周囲の脂肪織に局所浸潤しているように見えます。また、筋膜に接して病変が発生するとは限りません。
外傷が誘因となるかどうかは明らかではありません。

病理所見

幼若な紡錘形筋線維芽細胞が不規則(束状、渦巻き状)に錯綜増殖している像を呈します。増殖細胞のほとんどは平滑筋原性アクチンが陽性であり、筋線維芽細胞に分化していると考えられています。
旺盛な増殖能を反映して核分裂像を認めますが、異常核分裂像は認められません。また、赤血球成分の病変内漏出や、炎症細胞(リンパ球,組織球)の浸潤を認めることも多いです。

鑑別疾患

増殖性筋膜炎や増殖性筋炎との鑑別が重要です。また、いわゆる肉腫(線維肉腫,悪性線維性組織球腫,平滑筋肉腫,粘液型脂肪肉腫,隆起性皮膚線維肉腫)との鑑別を要することがあります。

治療

腫瘤の完全摘出が必要です。切除後の局所再発例は1%~10%前後と報告者により一定していませんが、再発を繰り返す場合は他疾患を考慮すべきです。化学療法、放射線療法は適応外です。

執筆:2012.4

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