口腔粘膜粘液嚢腫

口腔粘膜粘液嚢腫 (mucous cyst of the oral mucosa)

本症は、口腔粘膜に小外傷が生じた際に小唾液腺の導管が損傷し、粘液が周囲の結合織に漏出して腫脹して肉芽を生じるもの (extravasation cyst) と、唾液腺の導管が狭くなって閉塞して貯留するもの (retention cyst) があります。前者は30歳未満の若年者に多く、後者は年配者に多いとされます。同症に男女差はありません。 因みに、同様の機序で副鼻腔(前頭洞、上顎洞など)に生じるものを副鼻腔粘液嚢胞 (mucocele) と呼び、口腔底に生じるものはガマ腫(ranula)と呼ばれます。

症状

主に下口唇粘膜部(時に頬粘膜、舌前部の腹側など)に、青白色調で透明感を伴うドーム状隆起を示す直径2~10 mm程度の貯留性腫瘤を認めます。大きくなると波動を触れることもあります。数日から数ヶ月持続して患部が潰れて粘液を排出して再発を繰り返しますが、違和感以外には自覚症状に乏しいです。

病理所見

大多数(約90%)の嚢胞壁は上皮で被覆されておらず、肉芽組織や線維性結合組織で構成されている偽の粘液嚢胞です。約10%程度の嚢胞壁は粘膜上皮被覆された粘液貯留嚢胞です。

治療

口腔粘膜粘液嚢腫は自然消退することが稀ではないため、無治療で経過観察するのもよい方法です。慢性で再発を繰り返す場合は、外科的切除、レーザー治療などを行います。

執筆:2012.5

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