硬化性萎縮性苔癬

硬化性萎縮性苔癬 (Lichen sclerosus atrophphicus、硬化苔癬、陰門萎縮症、陰茎萎縮症など)


本症は外陰性器、会陰部、肛囲に好発する萎縮性の角化性白色扁平丘疹、白色硬化局面を呈する原因不明の疾患です。通常潜行性であるため初発疹に気づかないことが多いが、進行すると外陰部・会陰部では境界明瞭な硬化局面で、局所の激しい掻痒、灼熱感を訴えることが多いです。躯幹、四肢にも発症しますが、比較的若年者に生じて自覚症状を欠くことが多いです。

疫学

女性の外陰部病変は中~老年者(40~70歳)に好発します。その半数は外陰部に限局します。1/4は外陰部以外に、残りの1/4は外陰部とその他の部位にも病変を合併します。陰部外病変を有する症例は若年者のことが多いです。女性は男性に比べて約10倍の発生率です。男性では再発性亀頭包皮炎、包茎の人に発生することが多いです。

症状

会陰部・腟・肛門周囲に象牙色をした萎縮性の角化性白色扁平丘疹、白色硬化局面が見られます。時に浸軟した間擦疹と類似することもあります。毛細血管拡張・紫斑を伴うこともあり、小水疱、水疱は出血性となります。局所の掻痒。疼痛・灼熱感を伴います。男性の場合、亀頭部、亀頭包皮内板に白色硬化局面が生じ、陰茎萎縮症を呈します。尿道口に波及すると尿道口狭窄をきたします。躯幹に生じた場合は比較的若年者に生じ、体幹・関節屈曲面に好発します。小さい光沢のある白色扁平な毛孔一致性角化性丘疹が集族します。この場合white‐spot diseaseと称することがあります。あるいは、大型の境界明瞭な象牙色をした局面として見られることもあります。晩期では萎縮して軽度陥凹し、表面には縮緬状の雛が見られます。外陰部病変の2-6%に有棘細胞癌を発生すると指摘されており、前癌病変と考えられています。

治療

局所の疼痛・疼痛・灼熱感を緩和するために、ステロイド外用あるいは局所注射が試みられているが、完治は期待できません。尿道・陰門・肛門狭窄が高度であればその外科的治療を行い、また本症を発生母地とする過角化や腫瘍を認める場合は、悪性化を疑って生検が必要です。悪性所見を認めれば、外科的療法、放射線療法、化学療法、冷凍凝固術、レーザー治療、外用(イミキモド、5-FU)などを考慮します。

予後

閉経後の発症は慢性経過をとることが多いです。陰部発症例では尿道・陰門・肛門狭窄をきたすことがあり、排尿痛、排便痛などを生じて日常生活が困難になります。また本症を発生母地として悪性腫瘍(特に有棘細胞癌)を生じうるため、長期的な定期観察が必要です。

執筆:2011.3

▲PageTop

ページトップに戻る