クラゲ刺傷

海に入ってクラゲに触れると、ヒトも刺されることがある。クラゲの触手には毒針を撃ち出す刺胞があり、小動物を捕食したり身を守るために使用している。ヒトがこれに触れると触れた部位に症状が出現する。クラゲの毒の人体への作用は、クラゲの種類によって異なり、大部分のものでは何も感じないが、触れるとちくちくする程度のものから、激痛を生じたり、呼吸困難や肺水腫などの全身症状を引き起こすものまである。アンドンクラゲ、カツオノエボシ、ハブクラゲ、オーストラリアウンバチクラゲなどは、場合によっては致死性のこともある。日本ではお盆過ぎに海水浴場に泳ぎに行くとクラゲに刺されるが、主としてアンドンクラゲによる被害である。カギノテクラゲによる刺傷は、刺された部分の痛みは強くないことが多いが、刺されて1時間ほどしてから、筋肉痛、呼吸困難等の症状を起こすことがあり、特に東北地方の日本海側や北海道で発生している。その症状は、オーストラリアのイルカンジクラゲが引き起こすイルカンジ症候群に類似している。
一般のクラゲに刺された場合の応急処置としては、手袋をしたり、タオルなどを使ってクラゲの触手を取り除き(素手で除去しようとすると二次的に手も刺され被害が拡大する)、海水で洗浄(真水で洗うと表皮についたクラゲ細胞から毒針が発射され疼痛が強くなるため、決して真水で洗わない)、あるいは酢酸(食用酢)で洗浄することである。酢酸は、刺胞から毒針が出るのを防ぐ効果がある。ただし、酢酸には注入されてしまった毒を解毒する働きはない。酢酸が有効なのは、正確にはハブクラゲやアンドンクラゲの場合であり、カツオノエボシには効果が無い。その後に氷や水で冷やす。ステロイド外用剤・内服薬や鎮痛剤を使用することもある。
場合によってはアナフィラキシーショックがおきるため、一度クラゲに刺された場合、二度目以降は注意が必要である。

執筆:2011.2

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