カサバッハ・メリット症候群

カサバッハ・メリット症候群 (Kasabach-Merritt syndrome)

本症は、乳幼児の巨大血管腫に血小板減少、溶血性貧血、凝固因子異常などが合併して播種性血管内凝固症候群 (Disseminated intravascular coagulation;DIC) を呈する現象で、出血や感染、多臓器不全などで、約10-30%の患者が致死的になります。
通常、生下時または生後3か月までに頭頚部・四肢等に血管腫 [カポジ様血管内皮腫(kaposiform hemangioendothelioma)や房状血管腫(tufted angioma)] が初発し、急激に増大しながら浮腫状に腫大して巨大な暗紫色の緊張性血管腫を形成します。その後、腫瘍内出血をきたして、DIC兆候(循環不全、溶血性貧血、出血や紫斑症状、意識障害、痙攣、昏睡、多臓器不全など)を生じてきます。しかし、上記血管腫のどの程度の頻度で本症が出現するのかは不明です。また、DICが生じる原因も明らかではありません。

検査

DICになると、fibrinogen低下、血小板低下、prothtombin time延長、antithrombin活性低下、D-dimer上昇、FDP (fibrin/fibrinogen degradation products) 上昇、TAT(thrombin antithrombin complex)上昇、PIC (plasminα2-palsmin inhibitor complex)上昇、破砕赤血球出現などを認めます。

病理所見

自然に消退する良性の血管腫と異なり、カポジ様血管内皮腫あるいは房状血管腫の病巣を呈します。

治療

ステロイド、Interferon-α(IFN)、vincristine (VCR)の投与、経動脈的塞栓術、放射線療法などが行われています。
本症の多くの症例で一時的にはステロイドによく反応しますが、長期使用による副作用が危惧されるため、徐々にステロイドを減量していきます。その際、Interferon-α(IFN)投与、VCRを含めた化学療法、病変の栄養血管への塞栓術、放射線治療などが併用されます。
しかし、これらの治療に抵抗性のものも少なくなく、治療が困難になることもあります。
一方では、治療に反応が悪くても、病変が自然消退してくることも時にあります。
尚、以前は本症病変に対して放射線照射も行われることもありましたが、現在では照射後に生じる二次癌(血管肉腫など)や照射部位の成長障害などの可能性があるので、この治療法は控える傾向にあります。
病変が小さければ外科的摘出も考慮しますが、巨大な場合は手術適応にはなりません。

執筆:2012.5

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