Gorham-Stout 症候群

Gorham-Stout 症候群 (Gorham-Stout syndrome)

本症候群は、局所的な骨組織の進行性溶解を特徴とするきわめて稀な疾患です。別名は大量骨溶解症(Massive osteolysis)とも呼ばれます。骨組織内で、薄い壁の血管やリンパ管の無制御的な増殖が生じ、溶解した骨組織はリンパ血管腫と線維性組織に置換されます。本症の発症に破骨細胞活性が異常な亢進があることに異論はないが、その機序に関しては未だ不明です。遺伝性は認められず、小児から若年成人に発症することが多いです。

症状

全身のあらゆる骨に単発性あるいは多発性に症状が発現しますが、肩甲骨、頭蓋骨、骨盤骨、下顎骨、肋骨、脊椎骨に好発します。
発症は潜行性で無痛性に始まることが多く、病状進行に伴い疼痛・腫脹や骨変形・病的骨折が出現し、運動制限や筋力低下が認められるようになります。一方では、症状の進行が数年間沈静化して落ち着くこともあります。
特に脊椎骨や頭蓋底に生じた場合は、神経症状が悪化して致死的になることもあります。
肋骨・肩甲骨・胸椎に病変がある場合、呼吸苦や胸痛が生じたり、胸腔内に乳び胸水を引き起こして致死的になることもあります。

検査

単純X-pで斑状骨粗鬆症様所見を認め、次第に骨変形が進行し、骨吸収像が目立つ。しばしば病的骨折と遷延する骨癒合で発見されることもあります。この他にも、CT、MRI、骨シンチなども行われることがあります。最終的には骨病変の病理組織診断で、病変部の骨組織が、リンパ血管腫と線維性組織に置換されていることを確認します。

診断

Heffezらは8項目からなる診断基準(1983)を挙げています。

  1. 血管腫増生を示す組織所見
  2. 細胞の異型がない
  3. 骨増殖反応の欠如
  4. 局所の進行性骨吸収
  5. 骨皮質の膨隆やびらんがない
  6. 実質臓器に病変がない
  7. X線像上の骨融解
  8. 遺伝性、代謝性、腫瘍性、免疫性、感染性疾患が除外される

病理組織像

組織学的には、拡張した小脈管の増生をみる angiomatosis の像や海綿状の血管腔をみる hemangioma の像が認められます。骨内に限局していることもあれば、周囲の軟部組織にも血管病変がみられることもあります。組織学的には angiomatosis や hemangioma と特に変わるところはなく、特異的な所見はありません。組織像のみから Gorham-Stout病と診断することは困難であり、その診断には、臨床情報、特に画像所見との対比が必須です。

治療

上述の如く、病状の進行が停止して一時寛解になることもあるので、治療不要な期間もありますが、病状が進行してきた場合は、主に進行を遅らせる姑息療法と対症療法を行います。しかし、本症候群に効果のある治療は未だ見つかっておらず、治療に反応しないこともあります。

1)胸・心臓系の病変

胸膜癒着術、胸腔穿刺、胸管結紮、胸腹膜シャント、放射線治療、胸膜切除、外科的切除、サリドマイド、インターフェロンα-2b、化学療法、硬化療法、移植、栄養強化療法

2)骨格系病変

インターフェロンα-2b、ビスホスホネート系薬剤、外科的切除、放射線治療、硬化療法、骨セメント注入、骨移植、骨切断、義足

執筆:2012.7

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