結節性紅斑

結節性紅斑 erythema nodosum

結節性紅斑は日常よく遭遇する疾患の一つで、しばしば発熱,倦怠感,関節痛を伴いながら、脛骨前部に圧痛のある赤色あるいは暗赤色の皮下硬結を生じます。両下腿前面に左右対称性に多数の紅斑が出現することも多く、重症化すると他部位にも同症状が生じます。一般に数週間の間に徐々に色素沈着を残して治癒しますが、再発を繰り返すこともあります。主として20代から40歳代の女性に好発しますが、時に妊娠や経口避妊薬(ピル)を契機として発症することもあります。

病因

脂肪織炎の特殊型と考えられていますが、正確な発症機序はまだ明らかではなく、免疫複合型反応か遅延型アレルギーの免疫反応と推定されています。また、本症はさまざまな原因で生じ、しばしば全身性の基礎疾患(感染症、非感染性の炎症性疾患、悪性腫瘍、薬剤など)に伴うこともあります。従って、下記のような基礎疾患の有無のチェックも必要になりますが、原因が特定できない場合も多いです。

1)感染症
細菌:溶連菌、抗酸菌(結核、ハンセン病)、マイコプラズマ、サルモネラ、赤痢菌、エルシニア、カンピロバクター、クラミジア、レプトスピラ、Bartonella henselae、ブルセラ、Treponema pallidum(梅毒)、Coxiella burnetiiなど
ウィルス: クラミジア、ヘルペスウィルス、EBウィルス、サイトメガロウィルス、B&C型肝炎ウィルス、ヒトパルボウィルス、麻疹ウィルス、HIVなど
その他:原虫、真菌(コクシジオイドミコーシス,ブラストミコーシス,ヒストプラズマ症など)

2)炎症性疾患
サルコイドーシス、ベーチェット病、膠原病、クローン病、潰瘍性大腸炎、Sweet病、IgA 腎症、原発性胆汁性肝硬変症、セリアック病など

3)悪性腫瘍
白血病、ホジキン病、悪性リンパ腫、固形癌など
4)薬剤
スルホニル尿素薬(スルホンアミド)、ヨウ化物,臭化物,ミノサイクリン、フェニトイン、経口避妊薬(ピル)、サリチル酸、オメプラゾール(抗胃潰瘍、十二指腸潰瘍薬)など

治療

結節性紅斑の原因である基礎疾患が確定できればその治療になりますが、原因不明の場合は安静にして病変部を挙上していることが最も重要です。対症療法として疼痛と発熱に対して非ステロイド消炎鎮痛薬(NSAID)が第一選択となりますが、ヨウ化カリウム内服も有効なことがあります。重症例にはステロイド内服も行われます。

執筆:2010.2

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