クロモミコーシス

クロモミコーシス(chromomycosis)


本症は自然界に存在する黒色真菌が皮膚外傷から原因菌が侵入して、肉芽腫性病変を形成するものをさします。原因菌はFonsecaea pedrosoi によるものが最多で、その他にPhialophora verrucosa,Cladophialophora carrionii(Cladosporium carrionii)などがあります。これらの菌は腐木・植物・土壌などに常在しており,軽微な外傷を介して皮内へ感染すると考えられています。農夫・工員・主婦などの四肢・顔面などの露出部位に好発します。
通常紅色の丘疹として単発し、局面状または腫瘤様病変を呈します。局面性病変では中心治癒傾向を認め、辺縁は堤防状隆起することもあり、腫瘤様病変が顕著な場合はカリフラワー様外観を呈することもあります。軽度に滲出液を認めることはありますが、膿瘍形成や自潰を起こすことは稀で、全体として乾燥性の病変を呈します。時に表面が疣状を呈することがあり疣状皮膚炎(dermatitis verrucosa)と称されます。自覚症状はほとんどありません。自然治癒せず極めて慢性に経過しますが、全身状態は良好なことが多いです。稀に汎発化し致死性となることもあります。

診断

病変部の鱗屑をKOH 直接鏡検すると、褐色の円形ないし多角形の大型胞子(sclerotic cell)が認められ、診断的価値が高いです。病理組織学的には、真皮において慢性肉芽腫性病変を認めます。通常のHE 染色においても胞子が観察でき、巨細胞に貪食された胞子も観察できます。

治療

病変が小さい場合には、外科的切除するのが最も確実です。また、場所的に可能であれば局所温熱療法(カイロや赤外線を病変部に長時間当てる)も有用です。その他フルシトシン(5-FC)やケトコナゾール、テルビナフィンの内服やアムホテリシンB の局注なども効果がありますが、治療に反応しない難治例もあるため、新たな抗真菌剤の開発が期待されています。

執筆:2010.11

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