皮膚骨腫

皮膚骨腫(osteoma cutis)

本症は、皮膚に生じる異所性の骨形成を包括する疾患で、続発性と原発性に分けられます。 続発性は本疾患の大部分を占め、外傷、慢性炎症、慢性静脈不全、瘢痕、皮膚腫瘍、母斑などの先行病変の異形成反応から生じることが多いとされています。本稿では、続発性の皮膚骨腫に関しては割愛させて頂き、原発性の皮膚骨腫に絞って記述します。
原発性は稀で、基礎疾患の無い原因不明の原発性皮膚骨腫(primary osteoma cutis)と、Albright遺伝性骨異形成症などに随伴するものがあります。前者は胎生期遺残の多分化能を有する間葉組織や迷入骨芽から形成されるのではないかとの仮説がありますが、詳細は未だ不明です。

原発性皮膚骨腫は下記のように分類されていますが、分類不能な症例もあります。
1型:全身に多発する病変
2型:被髪頭部に好発する、単発性で大型の局面状を呈する病変(生下~1歳までに生じることが多く、四肢にも生じることがある)
3型:単発性で様々な部位に生じる病変(後天性に生じた小骨片を経表皮排除による過程で生じている可能性がある)
4型:女性の顔面に多発する粟粒状骨腫(靤、神経症性擦創、削皮術などから生じる可能性がある)

本邦では1型が最も多く、次いで4型と3型で、2型が最も少ない。男女比は3:1で、発症部位は、四肢、顔面、頭部、指趾に多いとされます。
Albright遺伝性骨異形成症は、低身長、肥満、円形顔貌、歯牙発育異常、中手骨&中足骨の短縮、知能障害、テタニー様症状、皮膚骨腫などの症状を呈し、また、偽性副甲状腺機能低下症あるいは偽性偽性副甲状腺機能低下症を合併し、常染色体優性(20q13.32に位置するGNAS1遺伝子異常)の疾患です。本症の発生は2:1で女性に多いとされます。
上記以外にも、化骨性線維異形成症、進行性骨化性線維異形成症や、四肢末端に骨腫を生じる稀な疾患群でも、本症を発症する可能性があります。

病理所見

好酸性に染まる骨組織内に、明るい胞体を持つ骨細胞や骨を栄養するHavers管が存在し、内腔に脂肪髄を認めることはあるが、造血系細胞を殆ど認めません。骨組織辺縁には細長い核を持つ骨芽細胞がみられます。

治療

病変が増大、潰瘍化、機能障害や整容的問題を有する場合は、診断も兼ねて外科的全切除します。生命予後は良好です。

執筆:2015.1

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