Frey症候群

Frey症候群(味覚性多汗症)

本症候群は、耳下腺の手術、外傷や炎症などを契機として、その数か月~数年後に食事摂取に伴って同側の耳介前方や耳下部に、一過性の多汗、皮膚紅潮(血管拡張)や異常感覚などの症状を呈します。

原因

耳下腺を支配する耳介側頭神経内の副交感神経(唾液分泌神経)が損傷されると、神経変性後に近傍の交感神経へ長時間かけて迷入再生し、汗腺や血管拡張神経を誤って支配する結果、症状が発症する(misinnervation)と考えられています。
損傷原因は耳下腺手術によるものが最も多く、耳下腺浅葉切除や耳下腺膿瘍の切開排膿後に最も高率に発症します。
検査:Minor法(ヨード液を刷毛で塗布乾燥後、でんぷんを振りかけると発汗部位は黒紫色に変色する)で、味覚性発汗部位の確認ができます。

治療

現在のところ、確立した完治できる治療法はありません。
患部に制汗剤、スコポラミンあるいはクロニジン含有軟膏などを外用します。
ボツリヌス毒素を局所に注射する試験治療が試みられています。
外科的に皮下と耳下腺の境界部を自家組織(筋膜や腱膜など)で遮断する技法も考案されています。

※補足
生理的味覚性発汗は、辛くてスパイスが効いた食物を摂取したときに、口唇周辺部で左右対称性に生じます。その機序は、口腔内の侵害受容器が刺激されて、その興奮が三叉神経脊髄路核から交感神経下行路に伝わり、最終的に頸部交感神経から顔面皮膚の汗腺へ伝わって発汗が生じると推定されています。

執筆:2015.6

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