皮膚B細胞リンパ腫

皮膚B細胞リンパ腫(Primary Cutaneous B-cell Lymphomas:CBCL)

本症は、診断から少なくとも6ヵ月間は皮膚以外に病変が生じないものであることが定義されています。未だ分類は混乱していますが、EORTIC分類と新WHO分類の用語が用いられています。
皮膚B細胞リンパ腫は、皮膚リンパ腫の中でも数少ないリンパ腫です。ほとんどが悪性度の低い皮膚濾胞中心細胞リンパ腫(follicule center cell lymphoma)と、皮膚辺縁帯B細胞リンパ腫(marginal zone B cell lymphoma)です。悪性度の高い皮膚びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (下肢型)(diffuse large B-cell lymphoma of the leg)、血管内大細胞型B細胞リンパ腫 (intravascular large B-cell lymphoma)などは非常に稀です。

疫学

皮膚リンパ腫のうち、B細胞リンパ腫は全体の15-16%程度で、平均年齢は66歳で、男女比は1:1です。皮膚辺縁帯B細胞リンパ腫では、他の原発性皮膚B細胞リンパ腫に比べて若い年齢分布(約57歳)で、性差は殆ど有りません。皮膚びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (下肢型)に関しては、やや女性に多い傾向があります。

症状

本症では、概ね隆起性の紅色から紫紅色の結節および腫瘤、あるいは浸潤を伴う不規則な紅斑や皮下硬結が限局性に生じます。病変は単発あるいは多発性に生じますが、潰瘍化することは少ないです。
皮膚辺縁帯B細胞リンパ腫では、頭頚部・体幹・上肢に多く発症し、紅色調の症結節や局面、さらに皮下腫瘍として発症します。真皮から皮下組織にかけて結節性あるいはびまん性に腫瘍細胞が浸潤します。
皮膚濾胞中心細胞リンパ腫では、頭部や体幹に好発し、大小様々な紅斑結節や局面を形成して、時には数年かけて徐々に増大することもあります。
皮膚びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (下肢型)では、特に下腿に生じる症例は高齢女性に多く、予後が悪いです。
血管内大細胞型B細胞リンパ腫では、腫瘍細胞が血管内で増殖し、骨髄を含めて全身の血管へ浸潤しうるが、通常リンパ節浸潤を認めません。中枢神経などの主要臓器に浸潤するタイプ(Western型)と、多臓器に浸潤して汎血球減少などの血球貪食症候群を生じるタイプ(Asian variant)があります。

病理所見

表皮は正常ですが、真皮部においてびまん性のリンパ球浸潤があり、この浸潤は深部ほど強い傾向(bottom heavy appearance)があります。B 細胞の特異抗原を発現し、T 細胞の表面抗原は検出されません。

治療

単発であれば、外科的切除あるいは放射線照射を行います。局所的に多発している場合は放射線照射、全身性や再発性であればCHOP(シクロホスファミド/ドキソルビシン/ビンクリスチン/プレドニゾロン)療法などの多剤併用化学療法を行います。CD20抗原陽性であれば、抗CD20抗体「リツキシマブ」(rituximab)単独療法や併用療法(R-CHOP)の適応となります。その他インターフェロン療法やステロイド内服が選択されることもありあります。

予後

皮膚濾胞中心細胞リンパ腫や皮膚辺縁帯リンパ腫は予後良好(5年生存率95%以上)ですが、皮膚びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (下肢型)はこれらより予後不良(5年生存率は約50%)です。皮膚辺縁帯リンパ腫は自然治癒傾向があるので、様子をみるのも一つの選択肢です。

執筆:2011.5

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