ウェーバー・クリスチャン病

ウェーバー・クリスチャン(Weber-Christian)病

青壮年期の女性に好発し、発熱・倦怠感・関節痛・筋肉痛・肝脾腫・腹痛などの全身症状に続いて、直径1~数cm大で有痛性の皮下結節ないし板状硬結が多発する原因不明の皮下脂肪組織の炎症です。皮疹の好発部位は四肢・体幹・顔面(頬)で、皮疹は初期では淡紅色調の浮腫性ですが、次第に暗紫紅色の弾性硬のしこりを認めます。このような皮疹発作が慢性的に繰り返して罹患部に色素沈着・皮膚陥凹を残します。全身症状は段階的な弛張熱が著明で、心外膜の脂肪組織の炎症による心筋炎や心膜炎、骨髄への侵襲による貧血、髄膜炎による精神症状、脂肪組織分解による高脂血症から肝腫大などが生じることがあります。
初期段階では小葉性脂肪組織における好中球浸潤が見られ、小葉の脂肪細胞に変性および壊死像を認めます。時間経過と共に、好中球浸潤から組織球および泡沫細胞(foamy histiocyte)を認める脂肪肉芽腫の外観を呈し、さらに泡沫細胞は線維化・瘢痕形成を呈します。血液検査所見では赤沈亢進、貧血、白血球減少、凝固線溶系の異常などを認めます。
原因不明のため、対症療法としてステロイドの全身投与、免疫抑制剤投与を行います。その他、血漿交換療法が行われることもあります。悪化因子や併発疾患が発見されればその治療を行います。

執筆:2011.1

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