円形脱毛症

円形から斑状の脱毛斑が、頭部または毛髪が存在する部位に突然に生じる脱毛疾患です。
人口の0.1-0.2%と比較的高頻度に生じると考えられている。年齢・性別のかかわらず発症し、初期から活動期には毛が容易に抜け、感嘆符毛と呼ばれる特徴的な所見を示します。難治性または再発性であることも多く、重症になると、眉毛、睫毛、体毛などあらゆる毛が抜けてきて、患者の精神的負担は大きくなります。爪甲の点状陥凹、アトピー疾患、甲状腺疾患、尋常性白斑、SLE、ダウン症候群などが合併することがあります。

円形脱毛症の臨床的分類
単発型:脱毛斑が単発のもの
多発型:複数の脱毛斑を認めるもの
全頭脱毛:脱毛巣が全頭部に拡大したもの
汎発型脱毛:脱毛が全身に拡大するもの
蛇行型脱毛:頭髪の生え際が帯状に脱毛するもの

病因

円形脱毛症の病態の解明は未だ完全にはされていませんが、毛包組織に対する自己免疫異常説が有力です。成長期の毛根周囲に著明なリンパ球浸潤を認めますが、毛包の永久的な破壊はないため、毛が再生する可能性は常にあります。精神的ストレスが関与している可能性も否定できませんが、少なくともストレスのみが病因とは考えられてはいません。患者の10-30%に家族内発生があるため、遺伝的素因も考えられています。

治療

円形脱毛症の病因が不明であるために、根本的な治療法が確立していません。 一般的には孤立性の脱毛斑が数箇所程度までの単発あるいは多発型であれば、1年以内に自然治癒することも多いです。また、重症化するにつれて治療に抵抗しますが、毛包の永久的な破壊はないため、毛が再生する可能性は常にあるので、焦らず諦めないで根気よく治療継続していくことが重要です。また、治療は数ヶ月以上の長期にわたり、治療にすぐには反応しないことも多く、治療効果が現れるまでにかなりの期間が必要で、治療途中でも症状が再発することもあることを十分理解することが必要です。
治療方法
ステロイド局注:注射時の疼痛や皮膚の萎縮などがありうることに配慮して行います。 局所免疫療法:強力な感作物質で感作させた後に、局所に軽度の接触皮膚炎を持続させる方法です。squaric acid dibutylester (SADBE)、またはdiphenylcyclopropenone(DPCP)を使用して行われています。 内服:セファランチン、グリチルリチン、抗アレルギー剤、ステロイド 外用:ステロイド、塩化カルプロニウム、ミノキシジル 処置:冷却療法(液体窒素、雪状炭酸)、直線偏光近赤外線照射療法など

成人では、重症の進行期(発症3-6ヶ月で、脱毛巣内外に易脱毛性があり、切断毛を多数みるもの)にステロイド内服やパルス療法を行うことが多く、ステロイド局注は軽度の固定期(発症6ヶ月以上経過し、拡大傾向がなく、脱毛巣内外に易脱毛性や切断毛がみられないもの)に行い、局所免疫療法は固定期のものに行うことが多いです。
小児では、副作用を考慮して、ステロイド内服やパルス療法は原則行いません。
最近、難治性の全頭型や全身型脱毛患者に対して、全身PUVA療法とステロイド内服で症状が改善することが報告されていますが、小児に対しては皮膚癌の誘発する可能性のあるPUVA療法を行うべきではないと考えます。

執筆:2010.1

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