頭シラミ症

頭シラミ症(アタマジラミ)は、わが国を含めた欧米などの先進国の子供たちの間にも広く発生しています。貧富の程度や衛生状態に関係なく、身体を寄せ合ったりして遊ぶ年齢の子供たちの頭部の接触によって流行します。
不衛生から生じるわけではないにもかかわらず、差別やいじめにつながる可能性もあるので、正しい知識を持ち、適切な対策をすることが重要です。 

感染経路

子供たちは、身体を寄せ合って遊ぶことが多いので、大人よりうつりやすいと考えられます。一般的には、次のようなことでうつると考えられます。

・帽子、ヘアーゴム、スカーフ、マフラー、クシ、ブラシ、衣類等を共用する、貸借りすることでうつることがあります。 
・寝具類、マクラ、シーツ、ベッド等を介してうつることがあります。 
・子どもが頭を触れ合って遊ぶことによりうつることがあります。(相撲等) 
・集団生活や集団昼寝などで寄り添う時にうつることがあります。
・バスや電車等のソファを介してうつることがあります。
・髪が触れるほど混雑したバスや電車や船等でうつることがあります。

 

症状

頭シラミが頭部に寄生して、吸血・産卵を繰り返すようになってから約1ヶ月で掻痒も出現してきます。卵(大きさ:0.5mmx0.3mm)は楕円形で灰白色、セメント様物質で髪の毛に固定されて産み付けられます。温度や湿度によりますが、孵化した成虫は吸血しないと2~3日程度で死んでしまいます。

駆除

1)薬剤による駆除

低毒性0.4%フェノトリン含有パウダーおよびシャンプー(スミスリンなど)が、頭シラミ用として市販されています。但し、卵には効果が無いので、卵が孵化する2-3日間隔で3-4回程度使用します。
スミスリンパウダーを使用する場合、頭髪には7g程度散布し、手や櫛などでシラミの潜んでいる部位に十分いきわたるようにして下さい。散布1時間後に、水や石鹸で洗い流して下さい。処置の際に口や目に入らないよう注意して下さい。
スミスリンシャンプーの場合、頭髪を濡らして髪の毛の生え際、耳の後ろ側、襟元まで薬が十分に行き渡るようにシャンプーします(シャンプー量は短い髪10ml~長い髪20mlが目安です)。シャンプーして5分後、髪を十分にすすぎ、リンスと専用グシを使って卵を除去します。リンスしながら髪を一方方向(後方がよい)にシャワーブラシなどで丁寧にブラッシングします。髪を1~3cm位に小分けしながら専用グシで髪の根元から専用グシですきとります。専用グシを光にかざして、根元などに1㎜位の卵などが挟まっている場合は、歯ブラシでそぎ落として下さい。 最後に髪をすすいで、ドライヤ-で乾かし終了です。 
以上を1日1回3日間隔で3~4回行ないます。

尚、市販の駆除薬の用法・用量を守って使用し、効果が認められない場合は使用を中止して下さい。最近はスミスリン抵抗性のシラミが10%程度検出されているため、後述の物理的除去も有用です。

2)頭シラミ用梳き櫛による駆除

寄生や卵が多い場合は駆除専用のクシを使うと効果的です。昔はすき櫛が使われていましたが、今では専用のクシが入手できます。専用のクシは成虫や幼虫だけでなく卵も取れますが、卵は小さいので、クシ幅により引っ掛からないことがありますので注意して下さい。
1)耳の後ろや頭皮まで十分に普通のシャンプー剤で洗髪します。シャワーブラシなどで丁寧にブラッシングして毛の絡まりを無くします。 
2)専用グシを使ってシラミや卵を除去します。髪を一方方向(後方がよい)に丁寧にブラッシングして2~3cm位に小分けしながら専用グシで髪の根元からすきとります。すきとったら1回ごとに洗面器で濯ぎます。こまめにクシを光にかざして、クシの根元などに卵などが付いていないか確かめて下さい。1㎜位の小さなもの(幼虫・卵)がクシに挟まっている場合は、歯ブラシでそぎ落としてください。難しそうですが、要は再付着しなければよいのです。 
3)髪をすすいで、ドライヤ-で乾かし終了です。 
4)その後、駆除が終わっても暫くは卵が増えていないか頭髪を観察して下さい。

以上の方法を毎日寝る前に行います。順調にいけば、数日で終わります。途中で卵が増えていたり、1週間以上続けているのに終わらない場合は、新たな感染が考えられます。枕、タオル、クシ、帽子などの共用や兄弟間等で感染が行ったり来たりしていないか注意して下さい。

※注意
使ったブラシなどに卵が付着していることがあるので、60℃を保ったお湯で5分間以上浸けるか熱風のドライヤーをかけます。 
洗髪することでシラミを減らすことは出来ますが、小さな子供は洗髪を嫌ったりして不十分になりがちになり、シラミが多く残って増殖してしまいます。長髪の子供は特に髪の手入れが不十分になりがちなので注意が必要です。
やけどに注意しましょう。お湯の場合は、袋にクシやブラシを入れておき、子どものいないときに処置するのがよいでしょう。 

寝具・下着・洋服などの消毒
頭シラミは60℃の温水に5分間漬けると、成虫および卵は100%死滅します。消毒したいシーツ、枕カバー、下着などを上記条件で行うと駆除できます。

小学校、幼稚園、保育園などでの対策
園児や児童に頭シラミが確認された場合、かなり広範囲に蔓延している可能性があるので、発生状況調査をした上で、学校、幼稚園、保育園などは一斉駆除を行うことが重要です。この際、患児が差別やいじめの対象にならないように、十分な配慮を払うべきです。

執筆:2011.1

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