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形成外科手術:眼瞼下垂

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眼瞼下垂

定義と症状 | 眼瞼下垂の原因・分類 | 眼瞼下垂の診断 | 眼瞼下垂の手術

眼瞼下垂症には先天性と後天性のものがあります。
先天性眼瞼下垂症の大部分は、神経・筋単位の欠損により、上眼瞼挙筋の機能が低下あるいは消失して十分な開瞼ができません。時に、上眼瞼内にある異常に発達した横走靭帯があるために開瞼出来ない場合もあります。放置すると視力低下の原因となるために、幼児期での手術が必要です。治療は前頭筋と上眼瞼の瞼板を大腿筋膜張筋腱で繋ぐ方法などがあります。全身麻酔による手術が必要なため、然るべき専門病院にご紹介致します。
後天性眼瞼下垂症の大部分は、眼瞼挙筋と瞼板を結ぶ挙筋腱膜が伸展・菲薄化したり、瞼板から外れたりする腱膜性眼瞼下垂症です。これは長年月の瞬目を繰り返してきた老人に多く、加えて上眼瞼皮膚や眼輪筋の弛緩によっても下垂症が生じるため、老人では両者が複合している場合もあります。一方、若年者でもコンタクトレンズの長期装用(約10年以上)や花粉症などで常に眼瞼を擦る癖のある場合には、挙筋腱膜が外れやすくなって同様の下垂症状になります。眼瞼下垂症になると、視力は正常であっても上方視野障害を招き、症状が進行すると、肩凝り・頭痛・眩暈・吐き気などの付随症状を認めます。
手術は上眼瞼の皮膚切開後、挙筋腱膜を瞼板に固定し直し、眼窩隔膜の一部を皮膚に縫合し、必要に応じて余剰皮膚を切除します。入院の必要は無く、手術時間は90分前後要し、抜糸は5~6日で行います。また、術後の腫れも2~3か月あります。術後は視野が開けて、付随症状が劇的に改善し、穏やかな顔の表情になることが多いです。

定義

正面視にて上眼瞼の瞼縁が病的に下垂して瞳孔領域まで覆う病態を総称する。

症状

視野を確保するために、前頭筋を収縮させたり、下顎を上げたり、異常頭位などの代償行為をする。症状が進行すると交感神経過緊張症状を併発して、肩凝り・頭痛・不眠・眼痛・冷え症・眩暈・吐き気などを認めることがある。
後天性に眼瞼挙筋腱膜が瞼板前面から剥離・断裂してくると、睫毛の向きが下向きになる事が多い。また、重瞼の溝も浅くなり、重瞼幅も左右差が出てくる傾向にある。

眼瞼下垂の程度

  1. 軽度下垂:上眼瞼縁が瞳孔より上
  2. 中等度下垂:瞳孔中心線より上
  3. 重度下垂:瞳孔中心線より下

眼瞼挙筋機能
下方視の上眼瞼縁の位置を0とし、上方視させたとき上眼瞼縁が挙上した距離(mm)を測定して、眼瞼挙筋機能をチェックする。

補遺

代償性眼瞼下垂症について

周囲の筋肉などの予備能力(額に皺を寄せる、眉毛挙上など)を利用して正常な開瞼ができるため、一見眼瞼下垂が認められないような状態を代償性眼瞼下垂症という。無意識に予備能力を使用して無理に開瞼しているため、眼瞼下垂症の不定愁訴(交感神経過緊張症状)のみを呈する場合がある。
この予備能力を超えると明らかな眼瞼下垂症状を呈することになる。